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雪繭
昨年秋にHimikaで開催された"縁の糸Vol.3"では、参加者の皆さまにお配りされた帯留ブローチのほか
もうひとつ"雪繭"という帯留をおつくりしていました。
主宰のMichiさんから、講師を務められた着物ライター 安達絵里子さんへプレゼントされたものなのですが、
ありがたいことに、婦人画報の連載「安達絵里子の着物問わず語り」1月11日配信記事でその"雪繭"をご紹介くださっています。
安達さんのコーディネートが素敵ですのでぜひご一読ください。
この雪繭、見れば見るほど安達さんの雰囲気にぴったりだなぁと… 気に入ってくださって本当に嬉しいです。
雪繭について詳しく話しますと
山鹿の花井さんに繋げていただいたご縁なので、素材はもちろん花井さんの絹糸でモチーフは繭がいいなと思いました。
繭の中に優しく雪が降り積もるイメージで、白い手紡ぎ糸とパールをあしらい、柚子染めの座繰り糸で丸く囲みました。
座繰り糸も手紡ぎ糸も刺繍には向かない糸なので、ゆっくりゆっくり…
なぜ雪のイメージかというと、
安達さんにはじめてお会いしたのは真夏でしたが、芭蕉に雪が描かれた美しい帯をしていらして(雪持芭蕉という夏のモチーフだとその時教えていただきました)それがとてもお似合いで印象的だったのです。
今回は雪づくしのコーディネートに合わせてくださって、お着物の楽しみ方ってやっぱり奥が深い!
私はまだ家で羽織って満足している段階だけど、外でも着たい気持ちがふつふつと…
寒い朝にはこんな感じで母のお下がり着物を羽織ってお茶を飲んだりします(汚しそうですぐ脱ぐけど) やっぱり絹の温かさは格別ですね。
素敵にご紹介くださった安達さんに心より感謝です。
あけましておめでとうございます
2023年の仕事始めは山鹿のお蚕ファームからスタートしました。
本格的な糸づくりを開始された花井さん
寒いなか座繰りをされた絹糸を栗や桜、桑の実、シュロの葉など身近な草木で、春を感じるような美しい色に染めてくださっていました。
冬の桑畑も美しく
(桑の枝はこれから砕いて肥料にされます)
土は身体が少し沈むくらいふかふか
ご近所の方々が持ってこられた染料になる枇杷の葉や梅の枝なども沢山集まっていて
山鹿の土地の豊かさと人のあたたかさ
周りの皆さんが花井さんを気にかけて応援されていることをひしひしと感じました。
そのエッセンスがつまった絹糸を預からせていただけて、なんて幸せなんだろうと思いますし
ここを訪れるたびに、この美しい繭や絹糸が世の中から消えないで欲しいと思った、私の初心にかえることができます。
元旦の御神籤には「静かに待ちなさい」と書いてあったり、昨年末からそんなメッセージをいろんな場所で聞いて、なんなんだろう?と意味がわからなかったけど
もしかして…
やりたいことが増えすぎて意識が外に向きすぎてたから…
ただシンプルに目の前の美しいものに感動して大喜びしている私であればいいんだと、改めて思いました。
ご縁がつながり一緒に喜んでくださる方がいらっしゃればなお嬉しいです。
今年もどうぞよろしくお願いいたします𓂃🐇