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あけましておめでとうございます
2023年の仕事始めは山鹿のお蚕ファームからスタートしました。
本格的な糸づくりを開始された花井さん
寒いなか座繰りをされた絹糸を栗や桜、桑の実、シュロの葉など身近な草木で、春を感じるような美しい色に染めてくださっていました。
冬の桑畑も美しく
(桑の枝はこれから砕いて肥料にされます)
土は身体が少し沈むくらいふかふか
ご近所の方々が持ってこられた染料になる枇杷の葉や梅の枝なども沢山集まっていて
山鹿の土地の豊かさと人のあたたかさ
周りの皆さんが花井さんを気にかけて応援されていることをひしひしと感じました。
そのエッセンスがつまった絹糸を預からせていただけて、なんて幸せなんだろうと思いますし
ここを訪れるたびに、この美しい繭や絹糸が世の中から消えないで欲しいと思った、私の初心にかえることができます。
元旦の御神籤には「静かに待ちなさい」と書いてあったり、昨年末からそんなメッセージをいろんな場所で聞いて、なんなんだろう?と意味がわからなかったけど
もしかして…
やりたいことが増えすぎて意識が外に向きすぎてたから…
ただシンプルに目の前の美しいものに感動して大喜びしている私であればいいんだと、改めて思いました。
ご縁がつながり一緒に喜んでくださる方がいらっしゃればなお嬉しいです。
今年もどうぞよろしくお願いいたします𓂃🐇
「縁の糸」が安達絵里子さんの連載に…
着物ライター安達絵里子さんが、婦人画報公式サイトの連載「着物問わず語り」第35回に、Himika "縁の糸Vol.3"のことを心を込めて綴ってくださいました。
ぜひご一読くださいね。
縁の糸
9月26日、大人の隠れ家Himikaのイベント"縁の糸vol.3" にスタッフとして参加させていただきました。
テーマは、和の美の学びの会〜着物編〜
発端は、いつも仲良くさせてもらっているHimikaのMichiさんから「着物に詳しい方、何方か知らない?イベントを考えてるんだけど… 」と聞かれたことから。
その時ふいに、山鹿の養蚕農家の花井さんを何度も取材され、山鹿のお着物プロジェクト、婦人画報公式サイトの連載など多方面で活躍されている着物エディター&ライターの安達絵里子さんにお願いできたら、と無謀にも思ってしまったのです。
花井さんに話すとすぐに電話してくださり、初めてお会いした安達さんはとても気さくでチャーミングな方で、Michiさんの依頼を快くお引き受けくださいました。
着物専門エディター&ライター 安達絵里子さん
こちらは安達さんが編集された本。池田重子さんの素晴らしい帯留コレクションの数々が収められています。全ページ、息を呑むほど美しい…
池田重子コレクション 帯留Ⅱ 手のひらの芸術 ハースト婦人画報社
本にうっとりしていると、Michiさんが私に「帯留つくってみたら?」と…いつもの急なお導きが。
Michiさんって名前のとおりの方で、いろんな人の新しい路を開いてくれる優しい方なのです。まだの方はぜひ出逢ってくださいね。
それなら参加者の皆さま全員にMichiさんの"縁の糸"への想い、ご縁をいただく方への愛をお伝えするものをと、試作をはじめました。
自ずと刺繍になるため、いつもはしないデザイン画を数百描き、そこから試作しましたが全然ピンとこず…
デザイン画を諦めて、糸で遊んでいた時に偶然できたかたちに決まりました。(結局はいつものやりかたです^^)
今回は1200年以上の歴史があるといわれる"絽刺し"という伝統刺繍に使われる絹糸を使用しましたが、あまりの扱いやすさに感動…
目が揃った扱いやすい市販の絹糸と、生きているからこそ扱いにくい座繰りの絹糸
それぞれの美しさ、素晴らしさを改めて知ることができてよかったと思っています。
一針一針心を込めて刺繍しました。
草木染め正絹とじ糸の帯留
"縁の糸"らしいご縁の重なりを表現したデザインは、薔薇の花のようにも、着物の衿合わせのようにもみえます。
少し立体感をもたせ、ピンやゴムを通せばブローチや髪留めにもお使いいただける仕様にしました。
22個、今持てるものを出し切ることができて自分的にはとても満足…だけど着物に本当に合うか、気に入っていただけるかは全くわかりません。
未知の世界の新作は祈りながら当日そーっと差し出すしかないのは、作家あるあるですね(たぶん^^)
制作期間は自分の内側にぐーっと入っていく日々なので、イベント初日はいつも、いきなり外に出たモグラみたいな状態。ちょっとというか、かなりぼんやりしています。
皆さんが眩しすぎる…
左より、私、日月茶会主宰 木本智子さん、安達絵里子さん、Himika主宰 Michiさん、日月茶会 みきさん。
Himikaの広々としたお座敷に沢山の方がお集まりになり、安達絵里子さんのお話がスタート。
安達さんのお着物や地元への想い、ご家族愛、そして四季を通して日々の暮らしを楽しんでらっしゃることが伝わって、お聞きしていると幸せな気持ちになってきます。
組み合わせ方、楽しみ方など知らないことばかり。
歴史の重みも感じながら、でもどこかお茶目な安達さんからは今の自由な空気も感じられて、私も着てみたいと思う気持ちがふつふつと…
そして"縁の糸"の帯留を実際にコーディネートしてくださる場面も!無事にお着物に合うことがわかってホッとしたのと同時に、帯留が輝く瞬間を見ることができて幸せでした。
紫陽花の帯にあわせてくださったのは山桃染め絹糸の帯留
季節ごとの素敵な着物コーディネートに皆さん興味深々。安達さんがお召しになっているお着物は「初秋」、帯は「葡萄とリス」
茶道家、木本智子さんのお茶にまつわる楽しいお話も。
美味しいお抹茶とお菓子も堪能して心も落ち着き、日本人である幸せを心から味わうことができました。
和装はやはり特別な空気感ですね。安達さんのお話では、毎日たっぷりの布に守られている感覚なのだそうです。そして素材によっては夏も涼しく着られると。
背筋も伸びて、身体の使い方も洋服の時とは変わるのだとか。
まずは緊張せずに、多少着崩れても安心な家の中でこそお着物を着て過ごしてみようかな、と思います。
お話しくださった安達絵里子さん、HimikaのMichiさん、日月茶会の木本智子さん、みきさん、ご一緒した皆さま、素敵な制作の機会と楽しい学びの時間をありがとうございました。
オンラインストアOPENします
8月26日(金)21:00〜 オンラインストアOPENします。
29日(日)24:00まで開けております。
今回も数は少ないのですが… お気に入りを見つけていただけますように。。。
常設展示
菊池でナチュラルワインなどを扱ってらっしゃるますな屋さんの新しいキッチンスタジオ内ギャラリースペースにて、アクセサリーの常設展示をさせていただいています。
美しい漆喰の壁、古い木材を利用された美しいカウンター、アクセサリーがとても映える場所…
ますな屋さんの蔵から発掘された古い糸繰り機
絹糸も残っているなんてご縁を感じます…
こんな素敵なスペースを贅沢に使わせていただいて、感謝しかありません。
キッチンスタジオの様々なイベントに参加される方々に見ていただけて、喜んでいただけているということ…
先日こちらで行われたライアーコンサートに私も参加しましたが、アクセサリーが素敵な音や笑い声を聴き、幸せな空間に置かれているのを喜んでいるように感じました。
美味しいワインや日本酒、チーズや自家焙煎コーヒー… ひとつひとつに愛のあるこだわりの食材が揃っているますな屋さん。どれもびっくりする美味しさ! ご夫婦もとても優しくて素敵な方達です。
ますな屋さん限定の葡萄モチーフや、アトリエテフ定番のアクセサリー、新作も時々追加しています。
ぜひ一度足を運んでみてくださいね。